動物と暮らすこと、トレーニングの意義

動物に関わるときに考えることは、彼らは自らの意志で私たちとの暮らしを選択したわけではないということです。それは、家畜化された犬であってもです。
私たち人が、様々な事情や感情で彼らを傍に留め置き、社会的な関りや食餌、いつどこで何をするのかなどすべてをコントロールしています。そして、犬は生まれながらに人の文明社会で生きるためのルールや人から求められていること知って生まれてくるわけではありません。
トレーニングを行う時に大切なことは、「私達の生活が楽になる」ことだけではなく、「犬が楽に生活できるようになる」ことを考えることです。時に科学の視点に立ち動物にトレーニングを提供することに対し、「時間がかかる」と言われることもありますが、人と犬との暮らしは「犬が自ら選択した生活ではない。」ということを考えれば、彼らに提供されるトレーニングは、苦痛や不快、恐怖に曝すような方法を用いない、人道的でわかりやすく、彼らを助けるものであるはずです。人が困った行動が改善すればそれでいいではなく、トレーニングは犬のQOL(生活の質)を向上するために提供されるものと考えています。
また、生き物を迎えたら終生飼育が原則ですが、人の健康問題など様々な事情からいつ愛犬を他の誰かに宅さなければならなくなる日が来るかわかりません。そんな時に、「この子なら迎えられる」と愛犬に手を差し伸べてくれる人が多い方がその子の命を繋ぐ可能性は広がります。教育(トレーニング)は万が一の時に人と犬双方を助けることに繋がります。

優れたアニマルケアのために

強要、不快、苦痛を用いることなく、その動物が置かれている環境、身体的健康に配慮し、「古典的条件づけ」「オペラントの条件づけ」による介入に焦点を当て、行動修正に取り組みます。その際、動物に選択肢を提供し、彼らのニーズを尊重することで自信を養い行動を増やすためのアプローチを行います。

保護犬を迎えようと思っている方へ

犬との暮らしを検討されている方の中に、保護犬を選択肢にされる方も増えてきています。
保護犬と言っても、ブリーダーからなのか、元飼い犬だったのか、野良犬、野犬として生きてきた子なのか。環境、遺伝(純血種、雑種と野生の血が濃く入っているのかいないのか)その違いは、置かれる環境によって、行動に大きな影響を与えます。「かわいそう」という感情だけで迎えるのではなく、必要となる環境、トレーニングなどを考慮し現実的に終生飼育が可能であるかなど様々な視点が必要です。